山陰本線各駅停車の旅
計画
宮脇さんの本を読みすぎて、とうとう汽車に乗る旅を実行することにした。
将に病膏肓に至るである。
最長鈍行列車であった824列車(下関−福知山)は宮脇さんの本で有名になった。
まずはここを辿ってみようと思う。
今では京都−下関を各駅停車で行こうとすると、園部、福知山、豊岡、浜坂、鳥取、出雲市、益田、長門市で乗り換える。
大阪からだと10本の列車を乗り継がなければならない。ついでに、過疎ローカル線の木次線も乗ってくることにする。
こんな事でもなければ乗ることのない路線だ。
1日目 大阪−京都(新快速) 京都9:02−松江18:16
大阪・豊岡間はなんの変哲もない郊外で、ここを各停で行くのは苦痛を感じる。
この間だけ特急で駆け抜ける事に変更、城崎温泉行きの「北近畿」に乗ることにする。
鳥取で2時間あるので鳥取城見物を追加。
2日目 松江10:12−宍道 宍道−備後落合往復 宍道−出雲市18:31
松江発が遅いので松江城見物
3日目 出雲市7:54−下関−門司港−小倉−(新幹線)−新大阪19:24
重文の門司港駅とレトロ地区見物
勇躍、大阪市内−大阪市内間の片道切符を買いに行ったら、早くも齟齬発生。
当初の京都周りだと問題なかったが、北近畿は福知山周りなので行きに尼崎を経由する。
よって大阪市内−尼崎と尼崎−新大阪に分割された。通用期間は9日だった。
帰りは「市内」ではないので新大阪からは地下鉄で帰宅することになる。
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第1日
2008/11/03 山陰本線 鳥取城
山陰を汽車で旅行したのはいつが最後だったろう。記憶がない。
最初は中学の時に、友人と鳥取砂丘−出雲大社−秋吉台と回ったことがある。
その次は会社へ入って、同期と津和野−萩へ行った。それ以来だったらもう3〜40年振りになる。

11:53 北近畿3号が定刻に城崎駅のホームへ滑り込むと、向かいに浜田行き各停が2両編成で待っている。
4分の接続だが列車のドアは閉まっている?先に行った人が、横のボタンを押したら開いた。
成る程、ローカル線はこうして乗るのか。

短いトンネルを出ると入り江に面した集落が現れる。このパターンが繰り返えされる。
トンネルはレンガで巻かれていて、蒸気機関車時代の煤が未だに、こびりついている。
香住で半分くらいが降りる。山陰海岸国立公園へ入った。
鎧駅。餘部駅が出来るまでは、
山を越えてここの駅を利用したという。

鎧から3分で餘部到着。

工事が始まっているが、相変わらずの人気だ。殆どの乗客が降りてしまう。
春に撮り損なったアングルの写真をとろうと何分停車か訪ねたが、
「すぐの発車です」とつれない。

13:19浜坂到着。9分の接続で鳥取行きと接続。
トンネル−入り江のパターンが続くが、高さが低くなり海岸も温和しくなってくる。岩美ではほぼ平地を走る。

14:05鳥取に到着。
2階建ての立派な駅になっている。途中下車して鳥取城を見物する。

ガイドブツクには鳥取砂丘行きで県立博物館で降りるとあるが、均一利用金で300円になる。
循環バスなら100円で、毎時10、30、50分に出ている。
12人乗りの低床車で大阪市内の赤バスと同じ。ただし大阪がベンツ製なのに対してこちらは日野製。
国内メーカーで作れる物を、なんでドイツから輸入しなくちゃならないのかと思う。

吉川経家が籠城した鳥取城は後ろの久松山の上にあり、公園になっている城跡は江戸時代の物である。
近ければ登ってみようと思っていたが、かなり高そうなので諦めた。

堀は正面だけで、特に川とは繋がっていない。
山城が険しいところにあるのと、江戸期の政治の城ということで、戦術的には後退した城になっている

現存する唯一の構造物である中仕切門と、それに続く石段。それでも、明治維新直前に建てられたとある。


門を入り、左手の階段を上がると二の丸に出る。
二の丸の敷地はかなり広く、ここに三階建てのメインの建物があったという。城の性格からして天守閣ではなく、
日常の居住用であったろうと思う。

二の丸の西隅に御三階櫓がある。ここの石垣に手水鉢が埋め込まれている。
最初に山麓の城を築いた時、池田長幸(長吉の子)夫人の侍女・「お左近」
の活躍はめざましいものだったようで、このお左近の手水鉢を石垣に築きこんだところ、
難工事であった三階櫓も、無事完成したという伝説が残っている。
昭和三十八年、この「手水鉢」と思われる石材が発見され、三階櫓石垣の修理に際して、
もとの位置に復元されたとある。

二の丸の東奥、麓城の最も高いところに池田長吉の姉天球院が住んだとされる天球丸がある。
山頂への登り口もここにあるが、工事中で立ち入り禁止になっている。

城跡の公園内で菊祭が開かれていた。32万石の城の秋に相応しい催しだ。
16:03発とっとりライナーで、今夜の宿泊地松江へ向かう。
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