オフ会のついでに中央本線から東海道、御殿場線の旅


計画
毎年成人の日に、ソフトンの善本さんのお宅で 真空管アンプのオフ会 が開かれる。 昨年は手ぶらで行ったが、今年は 真空管プリアンプ を、お披露目することにした。
お宅は横浜の青葉区にある。そこまで行くなら、ついでに「今月の旅」を兼ねようと思う。 先月は矢岳の大観望を見たが、「国鉄三大車窓」のもう一つ、姨捨駅から善光寺平の眺望を楽しむ。

スケジュールは
1日目は中央本線から篠ノ井線に乗り換えて姨捨へ。旧信越本線のしなの鉄道で小諸に行き、日本一高い所を走る小海線に乗り換えて、甲府で一泊する。
翌日は武田信玄の躑躅ヶ崎館を見学。猿橋駅で途中下車して日本三奇橋の一つ猿橋を見て、オフ会出席。
3日目は海芝浦−扇町の鶴見線を乗り潰して、御殿場線経由で名古屋へ。時間があれば、島田で途中下車して世界一長い木造橋の「蓬莱橋」を渡ってくる。名古屋からは近鉄特急に乗る予定にしている。





切符は大阪市内→名古屋市内になった。
JRの窓口には女性が多数進出している。几帳面な字でプリントアウトされなかった経過駅・路線を、手書きで書き足している。



第2日目第3日目


第1日 
2009/01/11 新大阪〜篠ノ井〜小諸〜小渕沢〜甲府





勇躍ワイドビューしなの5号に乗り込んだら、中央線の景色から、進行方向に向かって左側の席を取ったはずなのに、右側になっている。新幹線は東京以西で上りは、右から左へA→Eと並ぶ。だから2列、2列の在来線でD席を予約した。
何故だろうとよくよく時刻表を見ると、なんと中央本線では名古屋→塩尻が下り、塩尻→新宿が上りとなっていた。そういえば、中央本線だけ変則的な仕分けになっていたような気がする。
旅のブランクの所為で、早速齟齬が出た。



中津川を過ぎると、左手に木曽川が寄り添ってくる。 中央線は学生時代、スキーの行き帰りによく利用した。「ちくま」という夜行急行だった。千曲川の見える長野までは行かないのに「ちくま」という妙な命名だが、関西から信州方面へのスキーには便利な列車なので、いつも満員だった。行き帰りとも闇苅をひたすら走るだけだったので、昼間の景色は新鮮だ。 上流のダムに堰きとめられて、流れは弱い。とてもこの河が流してきたとは思えない、大きな岩の間を細々と流れている。


上松の手前で、車内放送が「寝覚めの床」を告げた。ほんの一瞬だけ絶景を見ることができる。
浦島太郎が余生を過ごした所で、岩の上に社があると言うが、とても判らない。と言ってわざわざ車で、見に来るほどの所でもない。


篠ノ井駅の直前で珍しい屋根を見た。
棟瓦の中が空洞になっている。こんな大きな屋根に雪が積もれば相当な重量になる。重量を低減させる為の工夫なのだろうか。

篠ノ井で各停に乗り換えて、姨捨まで戻る。
「矢岳の大観望」は通過の間の、短い時間でしか見ることが出来なかったが、姨捨は駅からゆっくり眺めることができる。
姨捨で下車するには松本で各停に乗り換えれば良いが、篠ノ井から姥捨まで戻っても、松本から来る同じ列車で篠ノ井に帰って来られる。


姨捨駅はスイッチバックの駅だ。
大畑や真幸とは違って、勾配の途中で停車する為に作られている。なので特急は本線を通過して停まらない。
「まもなく姨捨駅を通過します」とアナウンスされても、景色を見ていては姨捨駅は目に入らない。 本線(篠ノ井線)が単線で、駅は複線になっているから、駅に降りてみるとこっちが本線に見える。
しかし、複線の先はちゃんと車止めになっている。




ホームの椅子は通常とは逆向きに据えられている。


善光寺平(長野盆地)を一望の下に俯瞰できる。昔の観光案内には「國鉄九駅」が見えるとある。


駅の真下から段々畑が続いている。夜に来ると、有名な「田毎の月」が見られる。




篠ノ井に戻って、3セクの「しなの鉄道」に乗り換え、小諸を目指す。
かっての信越本線は、長野新幹線(正式には北陸新幹線)のお陰で軽井沢−横川間のレールを外され、3セク線と高崎からの「盲腸線」になってしまった。


小諸駅は国鉄時代の木造駅をそのまま使っている。しなの鉄道とJRの共同使用駅だが、正面にはしなの鉄道のロゴマークが大きく描かれている。
老朽化のため橋上駅に立て直されるという話もある。


小諸城と城下町は、かつての信越本線、現在のしなの鉄道によって南北に分断されており、大手門は取り残されたように現存している。
小諸城は「穴城」といわれ、市街地より低い位置にある。
元は武田氏の城で、山本勘助が縄張りをしたという話もある。
小諸駅の裏が城だが、駅が既に周りより低い。大手門は、唯一市街地と同じ高さにある遺構だ。


しなの鉄道の下をくぐると、三の門が現れる。
大手門と三の門だけが、現存する建物で重文に指定されている。

ここから先は入場料が要る。
自治体所有の城は、たいてい公園として管理され無料なのだが、珍しい。
寅さん会館には用がないので、300円の散歩用入場券を買った。

ガイドブックには富士見台からの眺めが良さそうなことを書いてあるが、水の手展望台からのが方が良い。
千曲川が俯瞰でき、そばに建っている藤村の歌碑「小諸なる古城の辺り、雲白く遊子悲しむ」の文句がピッタリ来る。


左から、天守台、二の丸、本丸跡


随所に空堀が掘られており、市街地との接点は城門だけになっている。 この崖は天然の物か人工か判らないが、火山灰の堆積層で表層が崩れやすく、石垣より登り難くそうだ。
城下町より低い位置にあるものの反対側は断崖絶壁で、防御にはうってつけの地形になっている。正面に兵力を集中すれば防御は硬い。ここは、それなりに要害の地なのだ。




思いがけぬ雪化粧で、風情ある古城の風景を楽しませて貰った後は、JR小海線で甲府へ向かう。

1時間しか見ていなかったが、城が思ったより小さかったので予定より早く駅に着いた。
小腹がすいたのでホームの信州そばを食べたが、これが最悪。色が薄くてツナギが多い。伸びきっていて全く歯ごたえがない。歯茎もいらない、舌で咀嚼できてしまう。




新幹線との接続駅、佐久平駅からは冠雪した浅間山がよく見えた。




小海線は高原鉄道として人気がある。
今日は生憎一面の雪景色ではあるが、地元のハイカー達で賑わっている。

中込駅を過ぎた辺りから、千曲川が寄り添ってくる。
堤防が無くて北海道の河のようだ。



国内最高所の駅「野辺山」を通過。
1345.67mで2だけが抜けている。
但し小数点以下まで有効数字が有るわけではなく、単に割り算の結果を丸めずに残しただけ。



小海線の終着、小淵沢に到着。
「元気甲斐」という有名な駅弁が有るが、カツサンドしか残っていなかった。


本日の泊まりは甲府駅1分のサンパークホテル内藤。 駅ホテルではないがプラットホームや、復元された甲府城の建物を見下ろせる。



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