ミニトリップ(1) 和田岬線
2009/01/09
ミニトリップとして、和田岬線に乗ってみた。
和田岬線という名称の路線はなく、山陽本線の名無しの枝線で、兵庫駅の次が終点和田岬である。兵庫港に陸揚げされた山陽本線建設資材を輸送するために敷設された線路で、現在は三菱重工、三菱電機の社員のための通勤線になっている。かっては駅前の道路には神戸市電が通り、平面交差を避けるため市電は専用軌道の陸橋で和田岬線をオーバークロスするという珍しい風景が見られたらしいが、市電の廃止とともに撤去され現存しない。
大阪駅から新快速で30分、神戸駅に到着。駅前にアルミ製のアーケードが建ち、タイル張りの重厚な駅の姿を眺められるポイントは限られてきた。
ここで、地下鉄海岸線に乗り換える。
地下鉄海岸線の和田岬駅と、JRのそれとは隣接している。2001年の海岸線の完成で、和田岬線の命運は尽きたかに見えた。しかしJRは電化して存続させた。

わびしい終着駅である。
無人駅で改札はスルー、切符の自動販売機すらない。
朝の通勤時間帯は1時間に2本、夕方は3本で、10時から16時はゼロ、休日は1日2本と都会の中の超ローカル線で、三菱の社員以外の利用客は無さそうだ。
地下鉄の方が便利なはずだが、会社でこちらを最短経路に指定しているのだろう。
6両編成の列車でピストン運転するため長いホームが続いている。

駅前の信号を渡ると三菱重工の通用門がある。出口が改札口のようになっている。大勢の社員が一度に利用するので、社員証のチェックを機械でやっている。
付近に和田岬砲台跡があるが、会社の敷地内にあって、事前の許可を取っておかないと見られない。
和田岬駅では切符が買えない。兵庫駅でホームを降りると改札の前に切符の自販機が置いてある。ここで目的の駅までの加算された切符を買って本線に乗り換える。下車するにはもう一度通常の改札を通る。
17時24分発の、夕方の一番列車が入ってきた。
なんと無く違和感のある風景だ。
そう、車内広告が一枚もない。
不景気で広告費を削減してるのか、それともこの路線では広告効果が無いと判断されているのか。
17時28分、兵庫駅着。日はとっぷりと暮れていた。
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